SENIOR RESIDENT専門研修

 順天堂大学医学部附属浦安病院
内科専門研修プログラム-循環器内科-

 

 

    初期臨床研修医は、循環器内科における研修を1年目は2ヶ月間、2年目は1か月単位で好きな期間ラウンドすることができ、また1年目の早期に
   全身管理を学び2年目により実技重視のラウンドを選択することも可能です。また、当科に入局していただいた後の後期臨床研修では、他施設での
   『たすきがけ』内科研修が可能となっています。後期臨床研修期間中に選択できる研修施設は、附属病院(順天堂医院、静岡病院、練馬病院、
   江東高齢者医療センター)、都立墨東病院救命救急センター、江東病院、越谷市立病院、東部地域病院、東京臨海病院、島田総合病院 など
   (2012年度実績)です。後期臨床研修後は、本人の希望に応じて、大学院コース、専門医コースへと進むこととなります。

 

 

初期臨床研修プログラム

一般目標(GIO : General Instructional Objectives)

  (1)医師として必要となる基本的な循環器病学の知識及び技能の習得を目的とする。
  (2)最新の循環器領域の診療に触れる。

行動目標(SBOs : Specific Behavioral Objectives)

 A.診察法・検査・手技

  (1) 基本的な診察法
   1)バイタルサインを含む全身状態の観察と把握を行うことができる。
   2)胸部の診察を中心とした循環器学的な身体診察を適切に行うことができる。

  (2) 基本的な臨床検査
   1)心電図、負荷心電図検査を自ら実施し、結果を解釈できる。
   2)心臓超音波検査を自ら実施し、結果を解釈できる。
   3)胸部単純X線検査、胸腹部CT検査、冠動脈CT検査の結果を解釈できる。

  (3) 基本的な手技
   1)気道確保や人工呼吸を実施できる。
   2)心臓マッサージ、電気的除細動を実施できる。
   3)注射法(点滴、静脈確保)、中心静脈確保を実施できる。
   4)採血法(静脈、動脈)を実施できる。

 B.症状・病態の経験

   患者の呈する症状と身体所見、簡単な検査所見に基づいた鑑別診断、初期治療を
  的確に行う能力を習得する。

 1) 頻度の高い症状
  ①浮腫 ②失神 ③胸痛 ④動悸 ⑤呼吸困難 
 2) 経験が求められる疾患・病態
  ①心不全 ②狭心症、心筋梗塞 ③不整脈(主要な頻脈性、徐脈性不整脈)
  ④弁膜症(僧帽弁膜症、大動脈弁膜症) ⑤動脈疾患(動脈硬化症、動脈瘤)
  ⑥静脈・リンパ管疾患 ⑦高血圧症

 (緊急を要する症状・病態)
 1) 心肺停止
 2) ショック
 3) 急性心不全
 4) 急性冠症候群

研修方法(Learning Strategy)

A.研修内容

(1)具体的な研修内容

1)病棟研修
  ①病棟医として診療スタッフに加わり、指導医・上級医の指導のもとで受け持ち患者の診断・治療を行う。
   ・・・問診・理学的診察技法の習得と得られた情報をもとに検査・治療計画をたてる。
  ②主要な循環器疾患の病態・診断方法を理解し、エビデンスに基づいた治療法および予防法を理解する。
  ③循環器診療に特有の薬剤(昇圧剤・血管拡張剤・抗不整脈薬・強心剤・利尿剤など)の薬理学的理解と使用法を習得する。
   ・・・集中治療における全身管理がおこなえる。
  ④回診・カンファランスに出席し、的確な患者のプレゼンテーションの技能を学ぶ。
  ⑤心電図・胸部X線検査・心臓超音波検査・CTなど循環器領域における特有な検査の実査に触れ、検査所見を理解し、疾患・病態の把握をする。
  ⑥循環器領域の侵襲的検査・治療(心臓カテーテル検査・電気生理学検査・カテーテルインターベンション・カテーテルアブレーション・ペースメーカ
   植込み術など)について助手として参加し、補助を行う。状況に応じて、指導医の指導の下で手技を行う。
   検査・治療に必要な手技、デバイス、薬剤、検査・治療後の管理に関して学ぶ。

2)救急医療の研修
  ①急性心筋梗塞・不安定狭心症・急性心不全・不整脈・心肺停止など循環器疾患救急時の対応や集中治療を経験し、呼吸・循環動態を把握し
   全身管理を行う。
   ・・・循環器疾患の初期治療ができる。
  ②指導医が当直時に緊急カテーテル検査やインターベンション等の救急処置が必要な場合、可能な限りそれに参加する。
   ・・・救急医療の現場を経験する。

3)カンファランス・クルズス
  ①回診:毎週火曜日午後2時30分より、担当医として受け持ち症例のプレゼンテーションを行う。
  ②カンファランス:回診終了後、緊急カテーテルの報告および心臓血管外科との合同にて症例検討を行う。
   ・・・チーム医療の実践
  ③クルズス:週に1回、上級医によるクルズスに参加する。
 ・・・最新の循環器学領域の知識のアップグレードを行う。
   ④シネ・カンファランス:毎週月・水曜日午前8時20分より、心臓カテーテル検査、インターベンションの読影と治療方針を検討する。

(その他)
循環器内科研修の経験は将来、臨床医を目指す研修医にとってのスキルアップに必ず役立ちます。
 呼吸・循環動態を正しく把握し、全身管理を行えることは、医師として大変重要なことです。
 大勢の研修医諸君が循環器内科を選択されることを期待しています。

 

B.研修スケジュール(一般例)